【番外編】“カブ”の厨房取材日記

カブの取材日記第二弾です!



今回は山城店の厨房にお邪魔してきました。



今日の厨房には山城店の料理長植木シェフと、

山城店、このぶ店の両方を行き来する

COFFEE WORKSの統括シェフ上本さんのお二人がいらっしゃいました。







当店きっての男前二人の立つ厨房はなかなか素敵な雰囲気で、

ホールからずっと眺めているのもいいな。

もしかしたらお客様にもそんな楽しみ方をされてる方いらっしゃるかも。

なんて考えてしまいました。



植木さんに一番得意なメニューを聞くと、

「いや、得意とかそういう感じじゃないんだけど・・・

強いて言うとスパイスピラフかなぁ・・・」



上本さんは

「得意とかじゃないんだけど、好きなのは煮込み系かな。

カレーとかトマトソースとか。」



お二人共とても謙虚ですが長年培ったその腕はタダものではないはずです。



ホールにたちこめるコーヒーの香ばしい香りとは打って変わって

厨房には食欲をそそる美味しそうな香り!

そこには家庭ではあまり見ないような調理機材がたくさん置かれていました。

ミキサーやトースター、ジューサーなんかは見慣れた大きさですが、

パスタを茹でる釜、フライヤー、寸胴やフライパン、炊飯器の大きいこと!!

そして一際目をひくこちらの大きな機械。







スチームコンベクションという機械で、ダンパー(排気)の調節で

ピザを焼いたりスチームで野菜を蒸したりできるスグレもの。

分かりやすく言えばヘルシオの業務用バージョンだとか。



モーニングの時間にお邪魔したのですが、

次々と入るオーダーを手際良くこなしながらも

お昼から使う食材の仕込み(野菜を洗う、切る、茹でる、揚げる・・・)、

自家製のドレッシングやピクルス、本日のスープ作り

(取材の日はトマトスープでした。)







朝合わせたスパイスのソースを焦げ付かないよう常時かき混ぜながら

次々と入るモーニングを仕上げてゆくお二人。



時折り入るケーキのオーダーも無駄のない動線で迅速に仕上げていきます。

チーズケーキとレアチーズケーキはこのぶ店とは少し違うようです。



裏に下がってきた食器類を洗浄機にかけ、

その間にも業者さんから新鮮なお肉や野菜、

牛乳などの納入があり、朝の厨房は大忙しです。

テキパキとした無駄のない動きは見ていてとても気持ちの良いものでした。



忙しい中邪魔してはいけないと、裏のほうへ回ってみると

ウォークインクローゼットのような大きな冷蔵庫がありました。

パッと冷蔵庫を覗いただけでもその野菜の種類の多いこと!

キャベツにレタスになす、かぼちゃ。玉ねぎ、人参、ほうれん草。

トマトにセロリにズッキーニ。パプリカ、きゅうり、エンドウ豆。

ジャガイモ、水菜にヤングコーンと書き出すとキリがありません。



その一つ一つに丁寧に下ごしらえするのですから気の遠くなりそうな作業です。

例えばこちら。







野菜カレー用の根菜類は全て綺麗に面取りしてあります。

先ほどのコンベクションでスチームします。



カレーのルーも鶏ガラから手間暇かけて作られているんです!

鶏ガラを綺麗に洗って玉ねぎ、人参、セロリと共に水から炊き出す。

丁寧にアクを取りながら長い長い時間じっくり煮込む。

玉ねぎも飴色・ペースト状になるまで気が遠くなるほど何時間も炒める。



何でも手軽に代用できるようになった現代でも

このように手間を惜しまず細やかな手仕事で作られているということは

私たちホールで働く者にとってもすごく誇り高いことです。



食事の他にもコーヒーに付けるお干菓子のビスコッティを焼いたり

スコーンを焼いたりとその商品の注文を受けるまでに

準備しておかなければならない事の多いこと!

美味しい食事はこのような陰の努力によって作られているのだと

しみじみ感じました。







お昼から使うお米を研ぐ作業です。



だいたい一度に2升くらい炊くそうで、研ぐだけでもとても体力のいる作業です。

日によって量は変わりますが、土日の多い時は1日に6〜7升炊く日もあるのだとか。

さすがピラフが一番人気の山城店です!!

地元のお米屋さんから取り寄せたこだわりの国産米。

ピラフに良く合うように少し固めに炊ける品種なのだそうです。

押し麦と一緒に炊いたバターライスはそれだけで何杯でもいけちゃいます。



11:00からはモーニングと入れ替わりにパスタのランチ。

本日のパスタは【生ハム・なす・ズッキーニのトマトパスタ】と

【エビ・ほうれん草・ジャガイモ・プチトマトのクリームパスタ】の2種類。



朝の厨房も大忙しなのですが、

お昼のランチは一日のうちで注文が一番込み合う時間帯です。



トマトパスタの注文が入ると、朝仕込みした野菜を用意し釜にパスタを投入。

茹で時間を計るタイマーをいつの間にかセットしていた上本さんは

フライパンに火を付けオリーブオイル・ガーリック・鷹の爪を入れて温めます。



その間に植木さんがパスタセットのフランスパンを焼き始め、サラダを手早く用意。

フライパンからふわっといい香りが漂ってきたところで

トマトソースや数種類の具材が投入され、

トマトソースを作りながらもパスタがくっつかないよう釜をかき混ぜる。







手が何本もあるように思えるほどいろいろな動作が一度に行われ、

ここのスタッフの脳の回路はどうなってるんだろう。

とぼんやり考えたりしました。



スパイスピラフ、クリームパスタ、ミックスピザ、

ベーコンサンド、ヨーグルトジュース・・・



そんな大変そうなオーダーも慌てず手分けして確実にこなしてゆくお二人。

時間のかかるものから逆算して

ほぼ良く似た時間に仕上がる職人技にも感動しました。



忙しい中、当店の食事はすべてコーヒーを前提に考えられており、

メインでありながら、引き立て役でもあるというお話も伺えました。



全てはお客様のために、

1杯のコーヒーを美味しく召し上がっていただくために。



コツコツと地道な作業の毎日です。



お客様から一番離れた場所からの

心のこもった接客に頭の下がる取材となりました。





カブ
今日の焙煎室」 2013.06.05 Wednesday



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